2021.07.12
Note For You
NORMMENT(ノーメント)|セレクトショップ RIVERUS リヴァース 新潟
少し前に店頭で、上質なカシミヤブランドのオーダー会を開催した。ブランド背景の中に、「これはジョルジオ・アルマーニ氏がプライベートで愛用しているモデル」というのがあり、「ああ、あれか。」とすぐにイメージできた。それはダークネイビーのごくシンプルな半袖のTシャツで、同色のゆったりしたトラウザーやショートパンツを合わせた彼のポートレイトを、昔から何度も見てきた。仕事場のミラノに、豪華なヴァカンスシーンに、つまりいつも、どんな時にも、彼はまるで制服のようにネイビーのTシャツにネイビーのボトムなのだった。アルマーニ氏に限らず、ドリス・ヴァン・ノッテン氏やトム・フォード氏、フィービー・ファイロ氏やジル・サンダー氏、彼らも皆、いつも同じ格好をしている。ファッションの最前線にあるデザイナーの彼らが。マイナーチェンジはあるにしろ、彼らがどんな「いつもの」かは、皆様も想像できるのではないだろうか。「スタイルがある。」といえるのはもちろんだけど、わき目もふらず、目の前の仕事に全力で集中するための「プロフェッショナルの装い」ともいえる気がして、尊敬と憧れの目で彼らを見てしまう。
それが好きなら。それが似合っているなら。愛着があるなら。自分らしいと思えるなら。毎日同じ格好しててもいいのではないか?「着回し」の必要性や楽しみも理解しながらそれに執着し過ぎないで、好きなものを時間をかけて第二の皮膚のようになじませてゆく。これってどう「着回し」たらいいのかな。毎日何を着たらいいのかな。そんな悩みから解放されたときに、またあたらしい喜びが見つかる気がする。